ベトナム中部にある世界遺産の街・ホイアン。
そんなホイアンが一年で最も美しく輝く瞬間──それが、毎月旧暦14日に開かれる「ランタン祭り」です。

街の電灯が消え、色とりどりのランタンだけが灯る夜。
トゥボン川の水面にゆらめく光は、まるで時間がゆっくりと流れ始めたような、魔法のような景色を生み出します。
この記事では、ランタン祭りの歴史から見どころ、絶対に外せない撮影スポット、グルメやレストラン情報まで、初めての人でも楽しめるポイントをわかりやすくまとめました。
1.ランタン祭りの歴史
ランタン祭りは、もともと先祖供養のために行われていた伝統行事です。16〜17世紀、国際貿易港「ファイフォ」として栄えたホイアンには日本や中国、欧州から多くの商人が訪れ、中国から伝わったランタン文化が街に根付きました。これが地元職人の手で独自に進化し、さらには日本の朱印船貿易の灯り文化も加わり、今のホイアンらしいランタンスタイルが形づくられたといわれています。
ベトナムではランタンは邪気を払い、幸運を招く“縁起物”。家の前や通りに吊るす風習が広がり、ランタン祭りは“ベトナム版のお盆”として受け継がれてきました。現在のような観光イベントとしてのランタン祭りが始まったのは1998年。満月の夜に街の灯りをすべて落とし、ランタンだけで旧市街を照らす試みが話題となり、今では毎月開催されるホイアンの代表的なイベントとなっています。
2.ランタン祭りの魅力
祭りの夜、ホイアン旧市街のトゥボン川沿い、チャンフー通り、日本橋(来遠橋)周辺は歩行者天国となり、街全体がランタンの柔らかな光に包まれます。ランタン祭りと聞くと、色鮮やかな灯りが街を埋め尽くす華やかな光景を思い浮かべるかもしれません。しかし実際は、電灯がすべて消され、人工の光がない静かな世界が広がります。月明かりと朱色・金色・藍色のランタン、そしてロウソクの揺らめく灯りだけが街を照らし、どこか懐かしく心が落ち着くような、幻想的な雰囲気に包まれます。
観光イベントでありながら、宗教的で精神的な静けさすら感じられる――。
華やかさよりも“静寂と灯りの美しさ”こそが、ホイアンのランタン祭りが世界中の旅人を惹きつけ続ける理由なのです。

3. 必見!おすすめイベント&フォトスポット
静かな灯りに包まれるホイアンの夜は、どこを切り取っても絵になる美しさ。中でも、ランタン祭りの夜にしか味わえない特別な風景が広がる場所があります。ここでは、旅の思い出をより鮮やかに残せるフォトスポットをご紹介します。
– 点灯の瞬間&街歩き
日没(日によって18:00~19:00頃)に合わせ、街の照明が落ち、一斉にランタンが点灯する瞬間は最高のシャッターチャンス!夜になると、観光客や地元の人々が小さな灯籠を手に、願いを込めて川へ流します。灯籠は1〜2万ドン(約50〜100円)と手軽に購入できます。
– トゥボン川「灯籠流し」体験
夜になると観光客・地元の人が川岸で小さな灯籠(ろうそく入り)を購入し、願い事を込めて川へ流します。幻想的でインスタ映え!

– ベストフォトスポット
日本橋(来遠橋)周辺:ランタンと伝統建築が美しい一枚に
川沿いの遊歩道:水面に映るランタンの光が幻想的
路地裏カフェ:ランタンの灯りに包まれたベトナム式コーヒータイムもおすすめ
– 舞踊・伝統音楽・屋台グルメ
祭りの夜には、川沿いや広場で伝統舞踊やミニコンサートが開催され、屋台ではベトナムのローカルフードも味わえます。現地の人との交流が楽しめるのも、この祭りならではの魅力です。
4.屋台で味わうグルメ
ランタン祭りの幻想的な雰囲気を楽しんだ後は、ホイアンならではの名物グルメを味わいましょう。トゥボン川沿いには屋台が並び、ローカルフードを気軽に楽しめますが、特に外せないのが「ホイアン三大名物」です。
まず「カオラウ」は、コシのある太麺に豚肉と香草をのせた一品で、ホイアンの井戸水で作られる独特の麺が特徴。「ホワイトローズ」は、透き通る皮で海老のすり身を包んだ上品な味わいの点心です。そして「揚げワンタン」は、甘酸っぱい特製ソースと野菜がよく合い、ビールにもぴったり。
ホイアンの夜を彩るランタンの余韻とともに、ぜひ地元の味を楽しんでみてください。
最後に
ホイアンのランタン祭りは、華やかさよりも“静けさと灯りの美しさ”が心に残る特別な体験です。月明かりとランタンが旧市街をやさしく照らす中で味わうホイアンのグルメは、この街ならではの贅沢そのもの。ぜひ、その余韻とともにホイアンの魅力を満喫してみてください。












