シンチャオ!皆さんこんにちは。
今回は、「ベトナムの京都」とも言われる世界遺産の街「古都フエ」の観光地のご紹介。
ベトナム最後の王朝である「グエン朝」時代の皇帝が祭られている帝陵(陵墓)にフォーカスを当てました。
現在、フエ市には、グエン朝時代の歴代13皇帝のうち11皇帝の帝陵があります。
本記事では観光地として人気があり見どころがある帝陵を順番にご紹介していきます。
★☆:同じエリア、もしくは隣接する敷地にある帝廟
第12代皇帝Khải Địnhの帝陵は、最も豪華絢爛でインパクトがあることから、帝陵の中ではトップ3に入るフエに行ったら必ず見たいと言われる帝陵です。
建設期間は1920~1931で、フエにある帝廟の中で一番最後に完成しました。
サイズ的には他の帝陵に比べると中規模サイズのものになっており、石階段を上った一番頂上に陵墓があるというシンプルな構図です。
デザインは全体的な外観にはヒンドゥー教、メインの帝陵には中国やフランスの建築様式の特色を感じられます。
内装が豪華絢爛で、遺体が安置されている金箔を施されたカイディン亭等身大の像や、天井に描かれた9匹の龍の絵、実際にカイディンが使用していた遺物などを見れるなど、圧巻です。
比較的時間をかけずに見ることができる帝陵で、階段のみが大変ですが歩く歩数としては他の帝陵に比べると少なく、他の観光地と組み合わせて訪れることができる観光スポットとなっています。
Lăng Khải Định
住所:Khải Định, Thủy Bằng, Hương Thủy, Thừa Thiên Huế
営業時間:6:30~17:30(夏)/7:00~17:00(冬)
入場料:大人150.000VND/7歳~12歳30.000VND/6歳以下無料
所要時間:30分~1時間程度
第2代皇帝Minh Mạngの帝陵は、帝廟の中ではザーロン帝陵に次ぐ敷地面積を持つ大きな帝陵です。
死去年の一年前である1840年から建設していた帝陵であり、遺体はミンマン帝陵の一番奥にある「陵墓」に埋葬されていると信じられています。(普段は扉が閉められており中を覗き見ることはできません。)
帝廟内は、大きな2つの池がある美しく整備された公園のような帝廟で、歩いているだけで心が安らぐ場所になっています。
ルートとしては、中央に並ぶ「大紅門」「碑亭」「顕徳門」「崇恩殿」「明楼」「陵墓」を行くのが通常ルートではありますが、実は左右にには6つの遺跡もあり、そのうち一つは原型をとどめている様子を見ることができます。
特に新月池にかかる円月橋や、碑亭などが見どころです。
日差しを遮るものがあまりないことから、夏場の観光には厳しいものがありますが、王宮ほど大きくはないので1時間程度で見て周ることができる観光スポットとなっています。
Lăng Minh Mạng
住所:Hương Thọ, Hương Trà, Thừa Thiên Huế
営業時間:6:30~17:30(夏)/7:00~17:00(冬)
入場料:大人150.000VND/7歳~12歳30.000VND/6歳以下無料
所要時間:約40分~1時間
第4代皇帝トゥドゥックと第7代皇帝キエンフックの帝陵は同じ敷地内にあり、「トゥドゥック帝陵」とひとくくりにされる形で観光地になっています。
トゥドゥックの碑亭は現存しているものの中では最もデザイン性が高く、池や拝庭などと合わせても見ごたえがあります。特に池のほとりにある冲謙榭とその奥にある眼鏡橋は素朴な美しさを解き放っています。
キエンフック帝陵はその冲謙榭の裏側の林の中にあり、高台に石棺が置かれた陵墓があるのみですが、神聖な雰囲気を感じる場所ですので、是非合わせて訪れてみてください。
広いように見えますが、意外とコンパクトにまとまっていますので1時間程度ですべてを見て周ることが可能です。
近隣のお香村やドンカイン帝陵と合わせて観光するのもおすすめです。
Lăng Tự ĐứcとLăng Kiến Phúc
住所:Thôn Thượng Ba, Thành phố Huế, Thừa Thiên Huế
営業時間:6:30~17:30(夏)/7:00~17:00(冬)
入場料:大人150.000VND/7歳~12歳30.000VND/6歳以下無料
所要時間:約1時間
第9代皇帝であるドンカイン帝の陵墓がある「Lăng Đồng Khánh」は、フエ市内から南に約8キロメートル、4代皇帝トゥドゥック帝陵のすぐ近くに位置しています。
王位に就いてわずか3年後である1888年に病に倒れ、同年に帝陵の建設も始まります。最終的に現在の形になるまで完成したのは1923年でKhải Định帝の年に完成しました。
そのせいもあってか中国、フランス、ヒンドゥーなどのミックスした建築スタイルを見ることができます。
ドンカイン帝の霊廟や陵墓は、小さいながらも見応えのある帝陵となっています。
Lăng Đồng Khánh
住所:Đoàn Nhữ Hải, Thủy Xuân, Thành phố Huế, Thừa Thiên Huế
営業時間:7:30~17:30
入場料:大人100.000VND/13歳以下無料
所要時間:30分~1時間程度
第3代皇帝であるティエウチー帝の帝陵は、フエ市街から南に約6キロメートル離れたトゥイバン村に位置しています。
立地的にはミンマン帝廟やカイディン帝廟と合わせて訪れるのにも便利な場所にあります。
派手さはないものの、ミンマン帝陵とよく似た雰囲気を持ち合わせており、池に囲まれた敷地内には「霊廟」、「拝庭」、「碑亭」、「陵墓」などが置かれています。
向かって正面右にある霊廟の奥の森林を抜けたエリアにはティエウチー帝の妻であるTừ Dụのお墓もあります。
2023年から復元作業が始まっており2024年時点は作業中ですがこちらも修復が完了したらより注目を集めるスポットとなりそうです。
Lăng Thiệu Trị
住所:Thủy Bằng, Hương Thủy, Thừa Thiên Huế
営業時間:7:00~17:00
入場料:大人50.000VND/13歳以下無料
所要時間:約40分程度
第1代皇帝Gia Long帝の帝陵は、一番巨大な面積を持っていることで知られ、フエ市内から約30分と帝陵の中でも一番遠い場所に位置しています。
2800ヘクタールの敷地をもつ丘や湖に囲まれた帝陵内には、59歳で死去したザーロン帝の墓の隣には寄り添うようにTống Thị Lan王妃のお墓がある他、その他王の母や妹などのお墓も置かれています。
公園内を散歩するかのようにゆっくりと見て周ることができますが、有料の自転車やカートで周るのが定番です。
グエン王朝時代では初の帝廟として1814年に建設が始まり1820年に完成した、別格の静けさと壮大さを持つザーロン帝。
是非歴史に興味がある方はカイディン帝陵などと合わせて訪れてみてください。
写真引用:Thua Thien Hue Online Newspaper「Once in Hue, one should never fail to visit King Gia Long’s Mausoleum」
Lăng Gia Long
住所:Hương Thọ, Hương Trà, Thừa Thiên Huế
営業時間:7:00~17:30
入場料:大人150.000VND/13歳以下無料
所要時間:約1時間
グエン王朝時代最短在位日数である「3日間のみの王」で知られる第5代皇帝のズックドゥック帝陵は市内から車で約8分のローカルエリアの小道にひっそりと位置しています。
ズックドゥック帝陵はベトナム語では「Lăng Dục Đức」と言われていますが、タインタイ帝とズイタン帝の帝陵と合わせて「An Lăng(安堎)」と呼ばれることもあります。
観光地化されていない陵墓であるものの、2024年現在は修復作業が進んでおり今後さらに整備が進む可能性が高い場所です。
はじめていく方には分かりにくいですがTrần Phú通りから入ったDuy Tân通りをすぐ右手に入った広場のような場所を通り抜け、バイクであれば民家のエリアに駐車をさせて頂けます。
開けた大地に、「霊廟」、「陵墓」、「塔」などが並んでおり、すぐ隣のエリアには息子であるタインタイ帝と孫のズイタン帝の陵墓もあり、3世代の王の陵墓が仲良く同じエリアにある様子を見ることができます。 訪れる際は8番でご紹介しているタインタイ帝とズイタン帝の陵墓も一緒に訪れてみてください。
Lăng Dục Đức (An Lăng)
住所:Phường Phước Vĩnh, Thành Phố Huế, Tỉnh Thừa Thiên Huế/An Cựu, Thành phố Huế, Thừa Thiên Huế
営業時間:7:00~17:00
入場料:50,000VND(2024年4月に訪れた時は無料でした)
所要時間:約20分程度
タインタイ帝とズイタン帝のお墓は、タインタイ帝の父であるズックドゥック帝のために建てた墓のすぐ隣の敷地にあることもあり、Lăng Dục Đứcの中にあるという表記をされることが多いです。
この墓の正式な建築年は分かっていませんが、タインタイ帝は没後すぐの1954年以降に埋葬、ズイタン帝はアフリカで命を落としたこともあり1987年に埋葬されています。
タインタイ帝とその息子であるズイタン帝は、当時のフランスの干渉にあらがっていたために1916 年にフランス・レユニオン島に追放。その後タインタイ帝はフエに1度訪問することができたものの、ズイタン帝と共にここに埋葬されるまで愛する故郷に帰ることができなかった、という”グエン朝時代の皇帝”という言葉からは想像もできない波乱万丈の人生を歩んだ人物です。
現在は親子で同じ墓に眠っており、ズックドゥック帝の帝陵から徒歩3分のDuy Tân通りから入ることができます。
この3人の皇帝は最もフォーカスされにくい皇帝でもあり、帝陵自体も観光地化はされていませんが、興味がある方は7番でご紹介したズックドゥック帝陵と合わせて是非訪れてみてください。
写真引用:Viet Hue(公式Facebook)
写真引用:Viet Hue(公式Facebook)
Lăng Thành Thái・Lăng Duy Tân (An Lăng)
住所:Thừa Thiên Huế, Thành phố Huế, An Cựu, Duy Tân tổ 19
営業時間:特になし(閉まっている場合あり)
入場料:無料
所要時間:約20分程度
※立地的に一般的な旅行者の方向けではございません。警備員さんがいる場合はあけてくれるかもしれないという場所で、筆者が行ったときは閉まっており入れませんでした。Lăng Dục Đứcとも繋がっているという情報がありましたが、あまりにも草が生い茂っており通ることはできませんでした。
約4ヵ月と在位期間が二番目に短い第6代皇帝であるヒエプホア帝の陵墓は、フエの山中の墓地エリアの高台にひっそりと建てられています。
フエにある帝陵や陵墓の中でも、最も小さな造りの陵墓となっていますが2000年代に復元されたばかりの陵墓であることから新しくきれいに整理されており、松の木々に囲まれた王の墓は美しく整理されており神聖な雰囲気を感じさせます。
ヒエプホア帝が残した建物などはないことからここが唯一のヒエプホア帝に関する建造物となります。
旅行者向けの場所ではないものの、Googleマップの地図通りに行くことで訪れることができますので、訪れてみてもいいかもしれません。
Lăng Hiệp Hòa
住所:An Tây, Thành phố Huế, Thừa Thiên Huế(フエ市内最大規模の墓地エリアであるTam Thai山中)
営業時間:ー
入場料:無料
所要時間:約10分程度
※立地的に一般的な旅行者の方向けではございません。
もし訪れる場合は周辺が墓地なので日中に訪れることを推奨します。
上記では、11皇帝の9つの帝陵をご紹介しました。
・「Lăng Gia Long(1代目皇帝) 」
・「Lăng Minh Mạng(2代目皇帝)」
・「Lăng Thiệu Trị(3代目皇帝)」
・「Lăng Tự Đức(4代目皇帝)とLăng vua Kiến Phúc(7代目皇帝)」
・「Lăng vua Hiệp Hòa(6代目皇帝)」
・「Lăng Đồng Khánh(9代目皇帝)」
・「Lăng Dục Đức(5代目皇帝)」
・「Lăng Thành Thái(10代目皇帝)とLăng Duy Tân(11代目皇帝)」
・「Lăng Khải Định(12代目皇帝)」
中でも1代目、2代目、3代目、4代目の皇帝の帝陵は雰囲気がよく似ており公園の様な大きな中国様式を多く取り入れた墓です。
9代目、12代目は、中国、フランス、ヒンドゥー教の影響を感じられる墓であり、5代目、6代目、7代目、10代目、11代目、は現在のベトナムスタンダードな中国の影響を受けたデザインになっているなど、ザックリ分けると3タイプに分類出来ると考えられます。
コンボで訪れる場合、通常料金と比べて16%~31%の割引を受けることができます。
個別のチケットを購入後にコンボに変更することはできませんので、予めの計画をある程度建てておくとよいでしょう。
コンボ料金で一番割引率が高くお得なのが、「1」のミンマン亭廟+ザーロン鄭陵。
初めての旅行者の方におすすめ出来る使いやすいチケットは、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、となります。事前の検討をおすすめいたします♪
※全てのコンボチケットは2日間(再入場不可)のみ有効です。
今回は、ベトナム最後の王朝であるグエン王朝時代の皇帝たちが眠る、フエにあるお墓についてご紹介しました。
9つ全てを観光で周ることはないかと思いますが、是非時間がある方は2つほど行き時代の流れによる建築デザインの違いなどを楽しんでみてはいかがでしょうか。
フエ旅行を検討している方の参考になれば幸いです。
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