車窓の見えない、夜の旅。窮屈なベッドも、列車の音も振動も、なぜか気にならない快適さ。
中国雲南省との国境に程近い町サパへは、ベトナムの人たちは車やバイクで行くこともあるそうですが、観光客の足はほぼ列車に限られます。
ハノイからサパ観光の玄関口ラオカイまで、片道約8時間半の列車の旅。その殆どが夜出発して早朝に着きます。異なるさまざまな会社の連結車両のうち、「ビクトリア・サパ・リゾート&スパ」が運営する列車は、寝台車2両と食堂車(週3日のみ)のみ。異なる会社の車両へは、行き来ができないようになっています。
そしてこの列車の乗客は、必ず「ビクトリア・サパ・リゾート&スパ」に宿泊するため、車内で見かけた人にホテル内でばったり会うことも多いのです。
列車の旅は、市内中心部から車で10分以内の、ハノイ駅から始まります。
21:50の出発に合わせて、21時過ぎには駅に到着。週6日(土曜以外)のラオカイ行きのうち、食堂車付きは3日のみ。今日は食堂車なしの日なので、事前に腹ごしらえをして、9時半頃乗り込みます。
中に入ると、人が2人すれ違うのがやっとの狭い通路に沿って、部屋が並んでいます。
トイレは男女共同で、1両に1つずつ車両の端にあって、意外にもゆったりと広いのです。お手拭用のミニタオルも完備。
寝室は2段ベッドが両サイドに設置された、4名部屋(2名部屋も2室だけあり)。男女別々ではなく、スタッフによって適当に振り分けられます。
寝るだけなので、それほど気にはならず・・・
写真はイメージですので、実際にはフルーツ等はありませんが、アメニティとして350mlの水のボトルと、ミニタオル、歯ブラシセットが入った、少数民族風デザインのかわいらしいポーチ付き。
翌朝の6時半、定刻通りラオカイ駅に到着。
一緒にハノイから同行してくれた列車スタッフも、ほっとした様子のこの笑顔です。
早朝の外の空気は、ひんやりしていて清々しい!
~そして2日後~
来たからには、当然のことながら帰らなければなりません。もちろん、帰りも寝台列車で。
また8時間半かぁ・・・と正直ちょっとだけ思いましたが、あっという間でした!
帰りの列車は食堂車付きで、優雅にコースメニューをいただきました。
この日のメニューは、ローストガーリックスープ&パン、前菜(マッシュルームタルト)、メイン(ビーフ)、デザート(りんごのタルトタタン)。
1両のみで曜日が限られているせいか、食堂車はほぼ満席。
欧米からのお客さんで、閉店時間まで賑わっていました。