ベトナムでは、新暦のお正月は1月1日のみが祝日となっており、旧暦のお正月が本番。旧暦のため毎年変わります。2021年は2月12日が元旦です。
日本ではもうすっかりお正月気分も終わり、すっかり日常に戻っている頃に、ベトナムでは本番のお正月に向けて様々な準備が始まります。日本と比べるとまだまだ伝統にのっとっているお正月だと感じます。お正月もクリスマスも、準備をしているときがワクワクしますよね。
旧正月(テト)を迎える準備としてまずは日本と同じく大掃除をします。そして、新年を迎えるための飾りつけをします。クリスマスツリーやしめ縄などと同様、飾るものには決まりがあります。これらは縁起のよいもので新年を迎えるためです。ベトナムらしく可愛らしい飾り付けをたくさん見ることが出来るのも、この時期ならではの楽しみです。
旧正月は金、黄、赤の色で街中が溢れかえります。テトの飾り付けを売っているお店は、路上の露店もあれば専門店、そしてスーパーなどでも特設コーナーがあります。テトの飾り付けは提灯、キンカンの木につけたりする金貨の飾り物や、干支の切り絵や縁起のよい文字などなど。ベトナムにも書道の文化があり、アルファベットですが筆で筆記体のように書きます。子供たちが楽しみにしているお年玉袋も忘れずに準備をしなくてはいけません。
テトに飾る花は南北で違います。北はピンクの桃、南は黄梅。最近は流通も良くなり、どちらの花も購入ができるようになってきました。そして花ではありませんが欠かせないものとして金柑の木を飾ります。大きな公園には、テト前1週間程度のみ大きな花市が開かれます。そのほかは菊、ユリ、蘭、そして紫の花など色とりどりの花が街中に溢れます。
盛り上がりの最高潮は、大晦日。街では打ち上げ花火があがったり、住宅街では近くの通りで花火をあげたり大変にぎやかです。ベトナムではお正月にご先祖様も帰ってきます。この日は家の前の通りにテーブルとお供えを出す家も多く、0時になると一斉にお祈りし始めます。そしてお寺へお参りに行きます。
最近は正月三が日もコンビニや外国人向けレストランは開いていて便利になりましたが、日本でいうおせち料理のような日保ちがする料理を作り、その間はできるだけ料理はしない、という風習がベトナムにもあります。親戚や友人宅の新年のあいさつも昔の日本のようにハシゴして周ります。迎える方もたっぷりのお茶や食事、お菓子などを用意して迎えてくれますので、帰ってくる頃にはお腹がパンパンです。
今年、ホーチミン・シティではテトをお祝いするフェスティバルが市内で開催されました。テトを迎えるにあたって「観る」「食べる」「遊ぶ」「買う」の4つのテーマで来場者へテト文化や習慣を広く紹介するフェスティバルは今年で2回目。ベトナム人の自宅や実家でしか見られないテトの様子を垣間見ることもできます。
ホーチミン・シティだけでなく、ベトナム全土のいたるところで見られる年に一度の最大イベント。お正月休みなどで旅行には不便なこともありますが、昔懐かしい感じがするベトナムのお正月をいつか体験してみてください。
【露店】
地域:ホーチミン・シティ
場所:Vo Thi Sau通りとHai Ba Trung通りの角
【Saigon Center(サイゴンセンター)】
地域:ホーチミン・シティ
住所:65 Le Loi Boulevard, District 1, HCMC, Vietnam
TEL:(028) 38 29 4888
URL: http://shopping.saigoncentre.com.vn/en-US/Default.aspx
【テトフェスティバル】
地域:ホーチミン・シティ
場所: レバンタム公園