円安の影響で海外旅行のハードルが上がり続けている中、旅行先として注目度が高くなっているのがベトナム。物価が安く、日本人の舌に合う食文化や、時差が2時間しかないことなどで人気です。ハノイ、ホーチミンなど定番の都市もステキですが、今回ご紹介したいのは、ベトナムの“軽井沢”とも呼ばれる「ダラット」。標高1500mの場所に位置し、夏でも20度前後と快適に過ごせる、現地の人にも愛される人気の避暑地です。フランス統治時代にフランス人によって開拓されたため、おしゃれなフランス風の建物がいくつも並んでいます。今回は“プチ贅沢大人旅”にぴったりな、ダラットの魅力をご紹介します。
■5つ星ホテルで贅沢気分
今回は5つ星ホテル、メルペールダラットホテル(MerPerle Dalat Hotel)をご紹介。10階建てで389室を有するダラット最大級のホテルです。“富と幸福”を象徴としたクジャクが本ホテルのシンボルで、廊下や部屋には美しい花のデコレーションも施されています。チェックインすると、ウェルカムティーで迎えてくれるのも嬉しいポイント。
青と白を基調とした「エグゼクティブ・スイート」は、プリンセス気分になれるゴージャスなインテリアで胸が高鳴ります。部屋は65平方メートルで、リビングルームと寝室、大きなバスタブ付きのバスルームで構成されています。テーブル、チェア、ティーカップ、ドレッサー、どれもステキな家具ばかり。ベッド横には、USBポートが2つ、コンセントが2つあり、充電で困ることなし。時期によって変動しますが、同部屋で1泊2人で3万円弱ほど。憧れのスイートが手の届く価格で楽しめます。
ホテル2階で朝食の提供があります。滞在中必ず食べていたのが、その場で作ってくれるフォー。寝起きの体にフォーの優しい味と温かさが染みわたります。また、パンと野菜がとてもおいしいのも特徴。高原の街なので、ベトナム国内でも評価されるほどダラット野菜は名産です。夜は寄り添うように心と体を癒やし、朝はシャキッとエンジンをかけてくれる。メルペールダラットホテルは、旅にピッタリなホテルです。
■ダラット観光のオススメはここ
・クレイジーハウス
テーマパークのようにユニークで自由な建築物が並ぶクレイジーハウスはダラットの観光名所の1つ。ゲストハウスもあり宿泊もできる本施設は、木や海などをモチーフにした一風変わったデザインの建物がギュッと並んでいます。ロシアで建築を学んだダン・ヴィエト・ガー氏によって建てられ、おとぎ話のような想像力と自由さを感じられます。入場料は大人8万ドン(約500円)。両足ほどしか幅がなく、さらに手すりもない細長い階段を、行き先も分からず上っていくのはスリル満点です。道に迷いながらたどり着いた屋上からの景色も最高!
・ダラット駅
“ベトナムで一番美しい駅”と言われるダラット駅も必見。チャイマット駅までの約7kmを30分ほどかけて走る観光鉄道に乗ることができます。駅構内にある、ダラット名産のチョコが楽しめる「ザ・チョコ」はぜひ立ち寄りたいところ。バリエーション豊かなホットチョコレートが楽しめます。鉄道内では有志による生演奏も。
・リンフォック寺
観光鉄道の到着地チャイマット駅から歩いて10分もかからない場所にある、ド派手なお寺です。とにかく何もかもが大きい! 入場無料で誰でもウェルカム。お参りだけでなく、ベトナムの建築や芸術文化にも触れることができる美しい寺院となっています。観光客も多いですが、地元の人にも愛されている場所です。
敷地内の奥にある地下へ続く階段を下りると、“地獄”を体験できる洞窟も。ここではお化け屋敷のような雰囲気の中、地獄へ落ちた母を救った目連尊者の物語を見て学ぶことができます。苦しむ母を救うべく、目連尊者は地獄をめぐることになるのですが、ようやく母に会えても、水や食べ物が燃えてしまい、母を救うことができません。なぜ母がこんな仕打ちにあっているかというと、生前、息子のことは大切に育てていたのですが、他人への施しの心がなかったそうで、それが原因で地獄へ落ちることになりました(※諸説あり)。あまりにも厳しすぎる結果ですが、目の前に広がる恐ろしい光景から、他人への思いやりの大切さを改めて感じさせられます。目連尊者は、たくさんの僧侶たちに飲食物を供養することで、母を地獄から救うことができたのだとか。なんとも背筋の伸びる寺院です。
中心部にはスン・フアン湖という湖を有し、地元のカップルのデートスポットにもなっているダラット。ラン・ビエン広場の下は、巨大なショッピングモールや映画館が広がっており、買い物もできて便利です。ステキなホテルに泊まりながら、文化や歴史に触れることができ、ショッピングもできるダラット。大人のワガママをかなえるにはピッタリな観光地です。賢いプチ贅沢旅の行き先として候補に入れてみてはいかがでしょうか?