高原地方のダラットは、コロニアル調の建物が並ぶ高原野菜とワインが美味しい町。ベトナム特有の湿気と喧噪はどことやら、空気は清々しくちょっと肌寒いくらい。ここはフランス人によって一から開発された避暑地。景観に似合う湖を造り、その周りに教会や学校、ゴルフ場、ホテルを建てた。さらに町から少し離れた場所にワイン工場まである。
湖を見下ろすように建つ白亜の宮殿「ダラットパレス・ヘリテージホテル」は、1922年創業の格式あるゴルフリゾート。最後の皇帝バオダイ帝はダラットの離宮で過ごし、要人たちを招いてこのゴルフ場でプレイしていた。
ホテルのエントランスをくぐると、目に止まるのは吹き抜けのロビーに大きなシャンデリアと暖炉。元々はフランス統治時代の迎賓館だったものを1995年にホテルとしてリニューアルしたという経緯もあり、館内の至るところに絵画が飾られ、さながら古城ホテルのような雰囲気。天井が高く自然光が窓から優しく入る白を基調としたゲストルームは、気品を感じさせる。ホテルに明かりが灯る夕暮れ時は一番のロマンチックタイム。晴れた日はテラスで朝食を。ここでは日常から逃避してゆったりと過ごしたい。