旧暦の3月10日、新暦で4月14日はベトナム建国の祖「フン王」の命日。ベトナムでもっとも重要な祝日の一つ。フン王は紀元前2879年に文郎国(ヴァンラン)という国を建国し、18代にわたって存続したとされている。しかし、国家を示す考古学的な遺跡や遺構などは発見されておらず、あくまでも神代のお話。だけどフン王の存在こそ、54の民族で構成される多民族国家ベトナムを結束する象徴なのだ。
ところで、記録されている最初の王朝は968年、ハノイから南へ約90kmのニンビン省に位置するホアルーに置かれた。ここにはディン朝(968~980)と前レー朝(980~1009)の二つの王朝の都が存在した。千年に及ぶ中国の支配から脱し独立を勝ち取り、王となったディン・ボ・リンは自身の出身地であったここホアルーにディン朝を築き、次の前レー王朝までホアルーは首都として政治経済の中心地だった。その後1010年にタンロン(現在のハノイ)に遷都された。今もホアルーには両朝の廟が残り、国内から多くの人が訪れるベトナム人なら一度は訪れたい歴史的に重要な場所。また2014年に登録された世界遺産「チャンアンの景観複合体」に「古都ホアルー」が含まれ、外国人旅行客にも知られるようになり、観光スポットとなっている。山紫水明の歴史の地を訪ねる、ちょっとディープなベトナム旅はいかが?