サイゴン大聖堂のほど近く、2015年のオープン以来注目を集め続けている「ホテルデザールサイゴンMギャラリー」。フランス統治時代インドシナ&シックをコンセプトに統一された空間は、クラシカルな雰囲気とモダンデザインが絶妙に融合し、サイゴンへのオマージュを見事に体現している。
ホテルの顔ともなるロビーは、団体客よりも個人のビジネスマンやツーリストをターゲットにしているためコンパクト。だけど開放感のある高い天井と美しいインテリアに囲まれソファーに座っているだけで上質なものに触れている幸福感を感じられる。客室は白を貴重とし、ベトナム職人のオーダーメイド家具を配するなど土地の香りも感じられ、窓からはホーチミンシティを一望。ラグジュアリー・ブティックホテルと呼ぶにふさわしい空間づくりだ。
特筆すべきが多彩なダイニングシーン。地元客にも人気の「サイゴン・キッチン」をはじめ、23階の「ソーシャルクラブ」は高層階から眺めるランドスケープと遊び心をくすぐる19世紀風のインテリアデザイン、ホームメイドカクテルが大人の夜を楽しませてくれる。ロビーフロアの「カフェデボザール」では、極上のスイーツが誘惑する。ホーチミンシティの中心で、古き良き世界と21世紀が交差する卓越した空間に迷い込んでみたい。