ベトナムは54の民族で構成される多民族国家で文化は大きく分けて 南部・中部・北部で習慣が異なる傾向にあり、各地域に少数民族のお祭りがおこなわれることも珍しくありません。宗教は仏教と 儒教が中心で、正月などの祝いごとは旧暦に基づいて祝われるこ とが多く、家族を大事にする価値観からも家族と一緒に過ごす行事 も多く存在します。ベトナムの女性は就業率も高く家事にも積極的 であることから、お祝い事の際にも活躍する姿が多く見られます。
テト（旧正月）
【エリア】ベトナム全土
【時期】旧暦の1月1日～3日（2025年は1月29日～31日）
【イベントの特徴】
ベトナムでは新年のお祝いは旧正月がメインで家族と過ごすことが多いです。市場では赤や金のお正月飾り、贈り物（お歳暮）、お年玉袋などが販売され、街では獅子舞に遭遇することもあります。食事は、緑豆と豚肉をもち米で包んだバインチュン、大根・人参・ラッキョウなど野菜の漬物、ヌクマム（魚醤）に漬けた茹で豚が旧正月にベトナムの家庭で振舞われる代表的な料理です。
【注意点】
テト期間中は観光・ショッピング施設が休業または時短営業になることが多く、路線バスなど交通機関の運行数が減りタクシーが渋滞することも多いので、街の雰囲気を楽しみ、ホテルステイを満喫するのがお勧めです。
中秋節
【エリア】ベトナム全土
【時期】旧暦の8月15日（2024年は9月17日）
【イベントの特徴】
中秋節はお月見祭で、ベトナムでは主に子供のための行事となっています。大通りで太鼓の音に合わせて踊る獅子舞や中秋節には欠かせない灯籠が街を彩る風景を楽しめます。伝統的なお菓子として月餅があり、お月見団子のように親しまれています。夜間に子供たちが灯籠を手に屋台などで外出を楽しんでいる姿を見られるのも中秋節ならではの光景です。
リム祭り
【エリア】ベトナム北部バクニン省リム村（北部）
※ハノイから車で約40分～1時間
【時期】旧暦の1月12日～14日（2025年は2月9日~11日）
【イベントの特徴】
ユネスコ無形文化遺産に登録されたベトナムの伝統民謡「クアンホ」の始祖を讃えるお祭りで、ハノイから北へ約20Kmのバクニン省リム村で毎年開催されます。民族衣装をまとった男女が交互に歌い歌詞をつなぐのが特徴的な「クアンホ」をリム寺で鑑賞することができます。お寺周辺の池に小舟を浮かべ、船上で歌う姿も見られます。お祭りの幕開けは神輿行列で始まり、ベトナムのイベントでは欠かせない竹のブランコは子供だけでなく大人も楽しめます。
ダナン国際花火大会
【エリア】ダナン（中部）
【時期】6月～7月の期間内で約5日間
※2024年は6/8、15、22、29、7/13に実施された
【イベントの特徴】
毎年6月から7月の間に6日間ほど開催され、世界各国から花火師のチームが参加し技術を競うアジア最大規模の国際花火大会です。ハン川沿いに設けられる約17,000席の有料席からは、ステージで披露されるダンスパフォーマンスも鑑賞できます。2024年はベトナム、フランス、アメリカ、イタリア、ドイツ、ポーランド、中国、フィンランドの８チームが参加し、それぞれ約20分間にわたり花火を打ち上げ、フィンランドが優勝しました。
ホイアンランタン祭り
【エリア】ホイアン（中部）
【時期】旧暦の毎月14日
※実際の開催日は月ごとに異なるため、確認が必要。
【イベントの特徴】
ベトナムで縁起が良いものとされているランタン。ホイアンではランタンをつるして邪気を払うという風習もあります。ホイアンランタン祭りは本来、死者を弔うお祭りで、月に一度行われるお盆のような行事となっています。最も賑うのは旧市街の中心にある遠来橋から東西に伸びるチャンフー通りです。色とりどりのランタンが雑貨店やレストランなど店先に飾られます。バグダン通りでは近くのトゥボン川で灯籠流しを体験することができます。夜は店舗の照明など人工的な明かりは消され、ランタンと月の明かりだけになるので、幻想的な雰囲気を味わえます。
オク・オム・ボク祭り
【エリア】チャンビン省チャンビン市（南部）
※ホーチミンから車で約3時間
【時期】旧暦の10月15日（2024年は11月15日）
【イベントの特徴】
国内の少数民族のうち最も多くの割合を占めるクメール族の最大のお祭りです。ベトナム南部のメコンデルタ各地で行われます。「オク・オム・ボク」はクメール語で「月の神様を拝んで豊作を祈る」を意味します。稲収穫が終わった時期の満月の夜に寺で礼拝が行われます。お供え物には青いもち米で作った「コム」、タロイモやココナッツなどクメール族が収穫した農産物が並びます。礼拝の儀式の他、灯籠流しや「ゴー」というボートレースがお祭りの目玉で、長さ約24メートルの細長いボートに約50人の男性が乗り速さを競います。
